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TATSUYA KOBAYASHI 
小 林 達 也

自作パネルにカゼインテンペラによる絵画を制作。

 

イメージを持たないまま向き合うことで、

見つけられるものがあるような気がする。

感覚は思考よりも遠くにあるような気がする。

そんなことを思いつつ絵画を描いています。

 

立って歩くことができるというのは、何かとても自由で奇跡的なことに思える。

わからないという絶対的な重力の上で、ささやかに抗いながらも、

その大きさに安心して立って歩く。楽しい散歩。

例えば水彩のにじみの自然な様子を夢見て、僕が手にできる姿はどんなものか。

泳がずとも、飛ばずとも、満ちながら、開いている。と、思うときがある。

そんな自由に沿うように、線を引き、色を置こうとしている。

自分の輪郭に触れようと、散歩している。

(2009年個展「立って歩く」より)

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