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何かのイメージもなく、感覚と思いつき(”ひらめき”とも言える)を頼りに絵を描いている。
「私」を少し横に置いて絵に向き合うと、なんだか画面が求める色や好意が浮かんでくる。
根拠のない思いつきの地続き、ずっと遠くに、あるべき姿が不思議と確かにある気がして、
それを観察し記録する様に手を動かす。この先が何処につながり、何が見えてくるのだろう。
その中で、わたしは何を思うのだろう。何があるのか見てみたい。
絵の中で、私は小さい。線が生まれる瞬間や、絵の具の自然な表情に相変わらず驚き楽しんでいる。
描くことは不思議だし、「私」も不思議だなと思う。
わたしが、人が、見るみない、衣類内に関係なく星はある。
それを、私の場所から、注意深く観測し、近づこうと試みる。
触れられようも、確かめようもないものなど関係ない。
そして、どれだけ遠くても関係なくない。わたしたちは、星だろう。
(2021年個展「大きな線 もしくは星」より)
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