展示の機会は、それぞれに特別だけれど、ごく個人的に
その機会と強く結びつく出来事や出会いなどを、何となく期待している。例えば搬入のトラックのラジオから流れてきた好きな曲とか、初日終わりのトンカツとビールとか。ささやかだけれどその時の疲れや気持ちと相まって、一人でジーンと幸せを感じ、その展示を象徴するような記憶になることがある。
2023年10月、個展「 jund/send 」@ビエントアーツギャラリーが始まったばかりだけれど、今回は既にそんな出会いがあった。制作の終盤に出会ったまどみちおさんの「ゆび」という詩。昼を食べながらパラパラ詩集をめくっていて、うわっとなった。
膝の上に置いた自分の手のひら、ゆびを見てこんな事を思うのか、と驚いて、その柔らかな感性と、真っすぐな裸のことばに感動した。前にも見ている気もするけど、改めて凄いなぁと、何だかとても強く受け止めた。そして、私の”jund/send” や、タイトル思案中だった新作の柔らかな、ほどけていくような画面?に何だかリンクしてしまった。
それもあっての新作タイトル「結んで 開いて」。
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